組込みソフトウェア技術者向けリアルタイム設計力向上研修 開催案内
- 開催日:2024.01.16
「組込みソフトウェア技術者向けリアルタイム設計力向上研修」を、関西電子情報産業協同組合(KEIS)とNPO法人M2M・IoT研究会 関西部会の共催で以下のとおり開催します。
組込みシステムにおける不具合事例を教材で再現し、正しいセマフォの使い方を学ぶことでリアルタイム設計力の向上を目的とした技術研修です。
ぜひご活用のほど、よろしくお願いいたします。
1.趣旨
組込みシステムの市場流出不具合の現実は「リアルタイム設計力不足」が40%相当と高率を占めており、リアルタイム設計技術の獲得は喫緊の課題である。
また、恒常的にリアルタイム設計技術者は不足しており、必要な教育を受けていない経験の浅い技術者が実践に活用される状況にある。
そこで、本研修は、経験の浅い組込みソフトウェア技術者のリアルタイム設計基礎力を向上させ、品質を向上(製品開発力)させ、市場流出不具合の撲滅させることを趣旨に開催する。
2.本研修の特徴
カリキュラムの特徴は、不具合事例を教材として、理論編と実践編をほぼ一体化し、REMON*1と優先度逆転、優先度継承セマフォの限界、デッドロックとその解決方法にフォーカスする構成としている。
また、本研修は一日で完結する教材としている。
(1) 理論編
1) リアルタイム設計を学ぶために実製品での利用実績を持ち、学習環境を構築しやすいREMONを講義
2) 並行処理は排他制御が必要であり、通常セマフォを利用するが、安易にシステム構築した場合、優先度逆転やデッドロック等で多様な不具合発生の要因になる不具合動作を講義
(2) 実習学習編
1) 教材およびIDE*2ロジアナの操作を習熟する
2) 事例として①優先度逆転 ②優先度継承セマフォの限界 ③リソースを獲得する順番でデッドロックの発生を理解する
3) さらに、プライオリティシーリングによってデットロックや優先度継承セマフォの限界が解決できることを学ぶ
4) 特にプライオリティシーリングを十分理解し活用することで「リアルタイム設計」の基礎力が向上することに重点を置く
*1 REMON(Real-Time Embedded Monitor) : 並行処理は割込み処理のみで実現する。排他制御機能としてセマフォを備えるリアルタイムモニタである
*2 IDE(Integrated Development Environment:統合開発環境):組込みシステム用の開発,デバック環境である
3.対象者
実務経験2年から5年程度の組込みシステムソフトウエア技術者とする。
4. カリキュラム概要
(1) 理論編
・組込みシステム概要とOS概要おさらいとリアルタイム設計の有用性が高いREMONの特徴を解説する。
・実習で取り扱うリアルタイム設計の要点である優先度逆転動作、優先度継承セマフォの限界動作、デッドロック発生動作を基本にその発生状態と解決方法についてタイムチャートを基本に講義。
1)RTOSの概要および問題点をクローズアップする(機能的なブラックボックス部分が及ぼす想定しない悪影響)
REMONの特徴であるコンテキストスイツチ/スケジューリング/排他制御セマフォの仕組みについて
REMONを使ったリアルタイム設計方法
2) 並行処理/割込み処理/割込み処理間の排他制御
3) タイムチャートによる優先度逆転動作・優先度承継の限界動作・デッドロック発生動作について講義
4) 優先度継承の限界動作とプライオリティシーリングを利用した解決方法について講義
5) デッドロック発生とプライオリティシーリングを利用した解決方法について講義
(2) 実習学習編
・IDEを(ほぼ)自在に使いこなすことができる
・経験の浅い組込みソフトウェア技術者のリアルタイム設計基礎力向上は優先度逆転、優先度承継、デッドロック動作を知り、その解決方法を理解することで高める実践講義に集約する。
【IDE機能と使用方法の説明】
1) IDEの機能と利用方法について解説
2) 動作演習
【教材:実ボードを用いた演習講義】
1) 優先度逆転事例(通常よく発生するハードリアルタイムシステムでは問題)
2) 優先度継承セマフォ限界事例
3) デッドロック事例(デッドロック発生要因の駆除?)
4) プライオリティシーリングを利用した優先度継承限界とデッドロック解決
5.開催日及び場所、時刻
(以下、同一内容を別日程で2回に分けて開催します。一次募集では開催日が2つありますので 「いずれか」 もしくは 「いずれでも」 の希望日を記載願います。)
開催日:2023年12月14日(木)および2024年1月16日(火)
場所:総合生涯学習センター梅田(大阪駅前第2ビル5F)
時刻:9:30~17:00(休憩込み)
6.講師紹介 大阪電気通信大学 大学院 コンピュータサイエンスコース 教授 南角茂樹 ほか
7.受講料
関西電子情報産業協同組合 組合員・事業協力会員・BL特別会員およびNPO法人M2M・IoT研究会関西部会会員企業 ¥20,000(1人・税抜き)
以外の受講者様は¥25,000(1人・税抜き)を申し受けます。
8.定員 10名/1回
9.申し込み方法
下記のGoogleForm もしくは QRコードからご入力をお願いします。
https://forms.gle/mrijL4eDmaAopQCa7
10.運営・問合せ先
a) 関西電子情報産業協同組合(KEIS)事務局
〒550-0004 大阪市西区靭本町1丁目8番4号 大阪科学技術センター5F TEL 06-6447-1978
※このホームページの「お問い合わせ」からでも可能です。
b) NPO法人M2M-IoT研究会 関西部会 事務局
〒541-0041 大阪市中央区北浜2丁目6番18号 淀屋橋スクエア11F TEL 06-6227-4002